無重力

怒りとかでもない、ただ感情が抑えられなくなった時に、周りが見えなくなって誰の声も優しさも思い出せなくて届かない場所に取り残されてしまうような気持ちになるのが怖い。擦り切れるまで憎んだ人間たちが私に向けた悪意や冒涜が、いつの間にか自我になっていて自分自身への殺意になっていて、その殺意にいつだって負けている。くだらなくてしょうもなくて仕方ない。鏡に映る人間に、本当に私の心が宿ってるのかもよく分からなくて、毎日がいつかもう取り返しのつかないと後悔するような日々なんだろうなって他人事みたいに考えてる。今だって寿命が消え続けてるなんて、本当に知らないまま呆けながら生きてて、10分後に死ぬかもしれないのに、どんな気分で迎えるかも分からない知らない朝を目指してどうにかなりそうなんです。誰もいないから、誰の声を聴こえないから。忙しなさの間に孤独が流れていって忘れて、虚しさが蒸し返した時にそんな東京の空気を心底軽蔑してるように振る舞ったって誰にも見つからない。孤独ってさみしいこともうれしいことも教える相手が居ないことを言うんだね。結局人間なんて誰だってそんなもんだなんて誰にも言われたくない。みんな辛いなんて言葉で誰もの失望を均して蓋をして終わらせるようなことはあってはだめなのに、そんな言葉が有り触れてることがやるせない。