青って悲しい色なんだよ、だから皮肉なほど青い晴れた空や昼の海を見たときに悲しくなるのも当然で、何もおかしくなんてないんだ。時間が経ってその嫌な青さが終わるのを私は毎日待っている。2年前の春に、そんな待ち望んだ夜空を写した海に、月明かりが光の道みたい反射していた景色を見た時のことを今でも忘れられない。光が道になって、私を迎えに来ていたみたいだった。みんなが一日を終えて寝静まった後に、久しぶりに家から出て街頭のない道を辿って着いた海でそんな光景を見て、お日様の元は歩けなくてもこんな風に光の道を歩いてもいいんだって、何にも構わず海に入った瞬間が本当に本当に嬉しかったんだ。そんな時間に名前なんて無かったけれど、あの海が見せてくれた光、それがどうしても優しかった。